静岡県中部、榛原郡(はいばらぐん)にあった旧町名(金谷町(ちょう))。現在は島田市の西部を占める地域。大井川右岸に位置する。旧金谷町は1889年(明治22)町制施行。1957年(昭和32)五和(ごか)村と合併。2005年(平成17)島田市と合併。地域の大半は赤石(あかいし)山脈の前山にあたる山地が占め、南部は洪積台地の牧ノ原、西側は菊川上流の谷、東側は大井川右岸の沖積扇状地である。JR東海道本線、国道1号、473号が通じ、奥大井に向かう大井川鉄道の起点でもある。新東名高速道路の島田金谷インターチェンジがある。『和名抄(わみょうしょう)』に質侶郷(しとろごう)と記され、志戸呂焼(しどろやき)の産地として知られる。江戸時代には東海道五十三次の宿場町で、対岸の島田とともに大井川の徒渉制度によって繁栄した。明治初年の徒渉制廃止後、士族授産と川越人足救済が端緒となり牧ノ原の開拓が進み、大茶園が形成された。製茶とともに茶製造機械の生産が盛んである。茶製造機械は全国一の市場占有率をもつ。独立行政法人野菜茶業研究所の金谷茶業研究拠点、茶をテーマとした複合施設「お茶の郷」がある。牧ノ原大茶園は金谷駅から車で5分、大井川、富士山、駿河(するが)湾の眺望がよい。付近の諏訪原城跡(すわはらじょうあと)は国指定史跡。旧東海道金谷坂から城跡まで石畳の道が復元されている。
[川崎文昭]
『平口機一郎他編『金谷町誌稿』(1913・金谷町)』▽『『金谷郷土史資料』全2冊(1964・金谷郷土史研究会)』▽『『金谷町史』全5冊(1990~2003・金谷町)』
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…またこの川には先の接阻峡,寸又峡をはじめとして,本流の田代~徳山間,塩郷~笹間渡(ささまど)間(鵜山七曲(うやまななまがり))などに著しい穿入(せんにゆう)曲流区間があって,景勝の地として知られる。島田~金谷間のやや北で山地を離れた大井川は,南と西を牧ノ原台地に限られて,扇状地性の大井川平野を東方に向けて発達させている。この牧ノ原台地は,旧大井川のはんらん原がその後に隆起してできた洪積台地で,面上には明治以降に開かれた大茶園が広がっている。…
…遠江国蓁原(はいばら)郡(現,静岡県榛原郡金谷町)の牧。同牧ははじめ大江公資の私領で,嫡子広経,外孫藤原永実,その子永範と伝領された。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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