東大寺大仏鋳造の遺物(読み)とうだいじだいぶつちゅうぞうのいぶつ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「東大寺大仏鋳造の遺物」の意味・わかりやすい解説

東大寺大仏鋳造の遺物
とうだいじだいぶつちゅうぞうのいぶつ

東大寺大仏は8世紀半ばの聖武天皇の世に国家の総力をあげて鋳造された盧舎那仏のことである。高さ5丈3尺6寸 (約 16m) ,重量 250t,全身に塗金されていた。その鋳造工事は整地,版築,塑像 (原型) づくりと進んだのち,型取り・鋳込みを何回も繰り返して下部から上部へと制作されたと思われる。近年,「宮」などの記述のある木簡 220余点と溶銅塊・溶解炉破片など,その鋳造工事の遺物が大仏殿西側の回廊外の傾斜地から発見された。「宮」は光明皇后の大仏建立への協力を示すものとされる。

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