東征伝絵巻(読み)とうせいでんえまき

百科事典マイペディア 「東征伝絵巻」の意味・わかりやすい解説

東征伝絵巻【とうせいでんえまき】

鑑真が唐から来日して律宗を伝え,唐招提寺を創建するまでの経緯と事跡を描いた絵巻。1298年鎌倉極楽寺の忍性上人が施入したもので,絵は蓮行,詞は美作前司宣方ら4人の筆。宋画の筆法をとり入れた大和絵で,中国風俗は宋の経絵などから学びとったもの。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「東征伝絵巻」の意味・わかりやすい解説

東征伝絵巻
とうせいでんえまき

日本に律宗を伝えた唐僧鑑真伝記を絵巻化したもの。永仁6 (1298) 年制作。紙本着色,5巻。唐招提寺蔵。奥書や端書により画工は六郎兵衛入道蓮行,詞書筆者は美作前司宣方ほか3人で,鎌倉極楽寺の忍性がこれを作らせ,唐招提寺に寄進したことが知られる。都の作品とは異なる作風を示し,東国の風土性をも感じさせる。新来の画風を取入れたともいわれる。

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