朝日日本歴史人物事典 「東明慧日」の解説
東明慧日
生年:咸淳8(1272)
鎌倉末期に来日した曹洞宗宏智派の禅僧。「とうみん」ともいう。日本禅宗東明派の祖。明州(浙江省)定海県の沈氏の出身。奉化県(浙江省)の大同寺に出家し,明州府城の天寧寺の直翁徳挙に参じて法を嗣ぐ。はじめ明堂の白雲山宝慶寺に出世開堂したが,延慶2(1309)年に北条貞時の招きに応じて来日した。鎌倉の禅興寺,円覚寺,万寿寺,寿福寺,東勝寺,建長寺などに住し,鎌倉禅林の隆盛に尽力し,臨済宗一色のなかにあって曹洞宗旨の普及に努めた。円覚寺内に白雲庵を構えたため,白雲門徒とも称せられた。『東明和尚語録』が存する。<参考文献>玉村竹二『五山禅僧伝記集成』『五山文学新集』別巻2
(佐藤秀孝)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報