松下圭一(読み)まつしたけいいち

百科事典マイペディア 「松下圭一」の意味・わかりやすい解説

松下圭一【まつしたけいいち】

政治学者。福井県福井市出身。東京大学法学部で丸山真男に学ぶ。1953年法政大助手。高度経済成長が始まった1950年代から大衆社会の実現を予見し,市民政治のあり方を論じて注目された。1965年法政大教授。日本政治学会理事長,日本公共政策学会会長を歴任。〈シビル・ミニマム〉の考え方をはじめ〈市民〉概念を日本社会に定着させ,公共のありかたを実践的にといかけた功績は高く評価される。《シビル・ミニマムの思想》で毎日出版文化賞を受賞。著作に《市民政治理論の形成》(1959年,岩波書店),《都市政策を考える》(1971年,岩波新書)など多数。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「松下圭一」の解説

松下圭一 まつした-けいいち

1929-2015 昭和後期-平成時代の政治学者。
昭和4年8月19日生まれ。ヨーロッパ政治思想史を専攻し,昭和40年法大教授。31年大衆国家論を発表。以後,論壇につぎつぎと問題を提起。市民参加による自治型政治と地域民主主義の形成をとく。46年「シビル・ミニマムの思想」で毎日出版文化賞。47年「市民参加とその歴史的可能性」および「市民参加」の責任編集に対して吉野作造賞。平成27年5月6日死去。85歳。福井県出身。東大卒。著作はほかに「現代政治の条件」「市民政治理論の形成」「市民自治の憲法理論」など。

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