松木家(読み)まつきけ

改訂新版 世界大百科事典 「松木家」の意味・わかりやすい解説

松木家 (まつきけ)

(1)堂上公家松木氏。藤原北家中御門家の宗家。中御門家は藤原道長の二子頼宗の孫宗俊を祖とする。宗俊の長子宗忠は右大臣,孫宗能は内大臣にのぼり,宗忠は《中右記》という院政期の貴重な日記を残している。室町時代にいたり松木を称し,楽道,笙の家として朝廷に仕えた。公家としての家格は羽林家(うりんけ)で,大納言を極官とし,江戸時代には家禄441石を給された。宗有のときに明治維新となり,1884年の華族令制定に際し伯爵を授けられた。

(2)伊勢祠官の松木氏。度会(わたらい)氏本流で,伊勢神宮の外宮の禰宜,権禰宜を務めて勢力があった。元禄(1688-1704)ころの知彦は神道学者として知られる。明治維新後は士族に列したが,美彦は度会氏の宗家の関係により1883年華族に列せられ,翌年華族令の制定に当たり男爵を授けられた。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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