朝日日本歴史人物事典 「松本安親」の解説
松本安親
生年:寛延1(1748)
江戸後期,伊勢国(三重県)津の郷士で土木開発者。通称宗十郎。同国三重郡松本村(四日市市)出身。江戸で水利土木を学び幕府直営の土木事業に従事。寛政1(1789)年郷里に戻り,津藩の命で岩田川浚渫工事を完成。そのときの経験から同4年藩の許可を得て安濃・志登茂両川河口間の低湿地に私財を投じて堤防を築いて両川を分流させ,3年余で5ha余の新田を造成し,10年後にはさらに約14haを完成し,藩は開発者名にちなんで松本崎と命名した。また上津部田村の悪地8ha余を良田に改良,松宗垣内と称し,帯刀御免となり,庄屋に任じられた。<参考文献>『津市史』1巻,浅野松洞『三重先賢伝』
(杉本嘉八)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報