松漠紀聞(読み)ショウバクキブン(その他表記)Song-mo ji-wen; Sung-mo chi-wên

デジタル大辞泉 「松漠紀聞」の意味・読み・例文・類語

しょうばくきぶん【松漠紀聞】

南宋洪晧(皓)こうこうが、きんに使しての松漠郡督府の故地冷山に15年間抑留されたときの見聞記。2巻。紹興(1131~1162)末年ごろ刊。

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精選版 日本国語大辞典 「松漠紀聞」の意味・読み・例文・類語

しょうばくきぶん【松漠紀聞】

  1. 中国雑史。正続二巻。南宋の洪晧(こうこう)撰。紹興二六年(一一五六)刊。洪晧が金国に使し唐の松漠都督府の故地である冷山に一五年間抑留されたときに書いたもの。当地の見聞をもとに遼金交渉や当時の中国東北部の風俗など独自な記事に富む。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「松漠紀聞」の意味・わかりやすい解説

松漠紀聞
しょうばくきぶん
Song-mo ji-wen; Sung-mo chi-wên

中国,南宋期に著わされた国における見聞録。正・続2巻。紹興 26 (1156) 年刊著者は洪皓 (こうこう) 。彼は建炎3 (29) 年に金朝に派遣され,捕虜の宋帝欽宗らの返還を交渉したとき,金の傀儡国の斉に仕えるよう迫られたが,拒否したため北満州に流され 10年居留した。その間の見聞をまとめたものを死後長男が上記の標題を付して校刊したもので,金についてはもちろん,ウイグル契丹,満州諸族についての興味ある記事を含み,史料的価値は高い。

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