松田惣領(読み)まつだそうりよう

日本歴史地名大系 「松田惣領」の解説

松田惣領
まつだそうりよう

[現在地名]松田町松田惣領

北に松田山があり、西南境を流れる酒匂さかわ川が村南で川音かわおと川を合し、東は金子かねこ(現大井町)神山こうやま村、西は松田庶子まつだそし、北は虫沢むしざわ村と接する。矢倉沢やぐらさわ往還が東から南に抜け、「風土記稿」によれば酒匂川吉田島よしだじま(現開成町)との間に十文字じゆうもんじ渡とよぶ渡船場があり、平常は土橋を架け、洪水時には船を用いたという。川音川から分水した沢尻さわじり堰が西に、同じく町屋まちや堰が字町屋に注ぎ、それぞれ松田庶子より村南に流れる十文字堰に合する。近世には当村を上松田かみまつだ村、松田庶子を下松田村ともよんだ(元禄一三年高覚帳)

古くは松田郷に含まれ、「吾妻鏡」治承四年(一一八〇)一〇月一七日条に「松田郷」がみえ、同一一月二〇日条に「義常遺領之内松田郷、景義拝領云々」とあって、かつては波多野義常が領していたが新たに大庭景義に宛行われている。永正三年(一五〇六)一月一四日の遠山直景寺領寄進状(県史三)宛名に「西郡松田郷延命寺」とあり、小田原衆所領役帳に遠山丹波守「百卅八貫弐百五拾文 西郡松田惣領分」と載る。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の松田惣領の言及

【松田[町]】より

…足柄平野の北端にあり,町域の大部分を丹沢山地が占める。中心集落の松田惣領は酒匂(さかわ)川と川音(かわおと)川の合流点に位置し,中世には松田荘が置かれた。足柄平野北部の交通の要地にあり,矢倉沢街道の宿場町,丹沢山地と大磯丘陵の接する谷口集落として発達し,現在はJR御殿場線と小田急線が交わるほか,国道246号,255号線が通り,東名高速道路の大井松田インターチェンジが設けられている。…

※「松田惣領」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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