朝日日本歴史人物事典 「板谷桂舟」の解説
板谷桂舟
生年:享保14(1729)
江戸中期の画家。名は広当。薙髪して慶舟と号し,さらに寛政7(1795)年12月桂舟に改めた。江戸のやまと絵画家住吉広守の門人。同門の粟田口慶羽が別に栗田口家を興したように,慶舟も別に一家を成して板谷家を興し,主家住吉家に次いで幕府の御用絵師となった。主家の篤い信任を得,広守が晩年病身と高齢で家業を継続し難くなった折,一時,主家の扶持,屋敷を預り,師の没後は住吉姓を称したが,慶舟の長男広行が住吉家を継ぐにおよんで,再び板谷姓に復した。以後板谷家は,桂意広長―桂舟広隆―桂意広寿―桂舟弘延―桂意広春と続き,幕府の絵事御用を勤めた。<参考文献>大村西崖編『東洋美術大観』5巻
(榊原悟)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報