朝日日本歴史人物事典 「林懐」の解説
林懐
生年:天暦5(951)
平安中期の法相宗の僧。伊勢国(三重県)度会郡の人。大中臣興身の子。興福寺喜多院の真喜に従い,同院に住す。寛弘3(1006)年三会已講の労によって権律師となり,のちに大僧都に昇進。法華寺別当を経て,長和5(1016)年に興福寺別当となる。寺僧濫行の責任によって,一時別当職を停止されたが復任。寛仁3(1019)年藤原道長が東大寺で受戒した際には,その教授師を勤めた。治安3(1023)年,藤原頼通が氏寺である興福寺の寺領保全を怠ったとして,頼通主催の法会に出席しなかった。
(岡野浩二)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報