朝日日本歴史人物事典 「林桜園」の解説
林桜園
生年:寛政10(1798)
幕末の国学者。熊本藩士。名有通,通称藤次,桜園は号。林又右衛門通英の3男。藩学に学び,長瀬真幸について国文を修め,家塾を開いた。博覧強記で国学,神道,儒学,仏典,天文,地理,医学などあらゆる学問に通じた。思想的には尊皇攘夷の説を抱き,水戸に藤田東湖をたずねた。門人は1400人に達したといい,横井小楠,吉田松陰,大田黒伴雄らが門人にいる。慶応2(1866)年侍読となり,明治1(1868)年藩校時習館の助教となる。生涯独身であった。主な著書に『昇天秘説』『宇気比考』などがある。
(飯倉洋一)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報