精選版 日本国語大辞典 「枝折り」の意味・読み・例文・類語
しおりしほり【枝折をり・栞】
- 〘 名詞 〙 ( 動詞「しおる(枝折)」の連用形の名詞化。「しをり」と書かれることも多い )
- ① 山道などで、目じるしのために木の枝を折って道しるべとすること。また、草を結び、紙を結びつけなどして、道しるべとすること。また、そのもの。また広く、道をたずねる目じるしとなるもの。道しるべ。道案内。
- [初出の実例]「しをりしてゆく旅なれどかりそめの命しらねばかへりしもせじ」(出典:大和物語(947‐957頃)五四)
- 「吉野山こぞのしほりの道かへてまだみぬかたの花を尋ねん〈西行〉」(出典:新古今和歌集(1205)春上・八六)
- ② ( 栞 ) 書物の読みかけのところ、あるいはあとで読みかえしたいところなどにはさみこんでしるしとするもの。紙、布、糸、または木、竹、皮、セルロイド、金属などの薄板を用いる。形はさまざまで、頭部にひもをつけることが多い。
- [初出の実例]「帷子の暁さむくよれあがり 本の枝折に無造作な銭〈旨原〉」(出典:俳諧・延享廿歌仙(1745)一四)
- ③ ( 栞 ) 不案内の人のためにわかりやすく説明した小冊子。案内書。手引書。「旅のしおり」「入学のしおり」など。
- [初出の実例]「むかしむかしのしばかるぢぢいは、おとしばなしのしおりとなり」(出典:咄本・落噺常々草(1810頃)松の内)
- ④ 城郭の出入り口。
- [初出の実例]「渡辺大声を上、すきまをあらせず追立追立、三之丸しをりぎはまで追入しか共」(出典:太閤記(1625)一二)
- ⑤ 「しおりど(枝折戸)」の略。
- [初出の実例]「縄枢はしをりなんとは縄を以て戸のあけたてをするほどにぞ」(出典:史記抄(1477)五)
- ⑥ 「しおりがき(枝折垣)」の略。