枝折(読み)シオリ

デジタル大辞泉 「枝折」の意味・読み・例文・類語

しおり〔しをり〕【枝折(り)/×栞】

紙・布・革などで作り、書物の間に挟んで目印とするもの。
簡単な手引書案内書。「修学旅行の―」
山道などで、木の枝などを折って道しるべとすること。また、そのもの。
「吉野山去年こぞの―の道変へてまだ見ぬ方の花をたづねむ」〈新古今・春上〉
[補説]書名別項。→
[類語](1付箋/(2ガイドブック早分かり案内書ハウツー物

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「枝折」の意味・読み・例文・類語

しお・る しほる【枝折をる

〘他ラ四〙 (「しをる」と書かれることも多い)
① 木の枝などを折りたわめる。迷いやすい山道などで、小枝を折るなどして道しるべとする。また、草を結び、あるいは紙などを木の枝につけて道しるべとする。
※浜松中納言(11C中)一「世のうさにしほらで入りし奥山に何とて人の尋ね来つらん」
② 道案内をする。道しるべする。
※千載(1187)春上・六〇「さきぬやとしらぬ山路に尋ねいる我をば花のしをるなりけり〈藤原兼実〉」
③ 幕をたたむ。
咄本・私可多咄(1671)三「まくたたむ事をしほるといふは、そなはりたること葉なれ共、用捨の所ありて、まくあくるといひ、又はおさむるといふ」
[補注]「しおる(撓)」と同一語源で「枝折」は当て字であろうが、「名語記」には、「さきをり也、道をわすれじと柴のさきを折て、しるしとする義也、さきを反せはし也、おりは折也、又云、すきおり歟、過折也、すぐる道をわすれじとしるしの木をおれば也」とある。

えだ‐おり ‥をり【枝折】

〘名〙
草木の枝を折り取ること。また、折り取った枝。
※新撰六帖(1244頃)六「故郷の花たちはなの枝折にかたみおぼゆる一むかしかな〈藤原信実〉」
② 木の枝を折って目じるしとすること。しおり
※俳諧・独吟一日千句(1675)第二「不案内な君をおひゆく芥川 水無瀬の滝や渡枝折」

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