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枯葉作戦 かれはさくせん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

枯葉作戦
かれはさくせん

ベトナム戦争中,アメリカ軍が実施した作戦。対植物化学剤の一種を大量に使用して,ゲリラの隠れ場所となるジャングルを枯れさせた。2,4-D,2,4,5-Tのような除草薬,成長抑制剤,あるいはロダンアンモニアや塩化亜鉛のような落葉剤が使用され,飛行機やヘリコプタで広い範囲に散布された。これらは人畜にはほとんど無害といわれていたが,作戦実施直後に行なわれたアメリカ合衆国側の調査でも,家畜類の死が報告された。またヒ素化合物は土壌に残留して危険があると問題になった。アメリカ軍は南ベトナム内で,1961年11月に枯葉作戦を開始,1971年に終結した。その面積は全森林の 30%,2万4000km2に達した。1981年ベトナム政府は枯葉作戦実施地域を中心にして,人体に数々の後遺症 (死産,重度の障害児出産,年少者の癌などの異常な激増) を残していることを発表した。(→枯葉剤

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世界大百科事典内の枯葉作戦の言及

【化学兵器】より

… 対植物剤として除草剤2,4‐D,2,4,5‐Tなどがある。アメリカ軍はベトナム戦争においてゲリラの隠れ家と食糧源を破壊する目的で〈枯葉作戦〉を実施,大量の除草剤(枯葉剤と呼ばれた)を散布した。このため熱帯の密林に長期間の生態系破壊をもたらしたほか,不純物として含まれる2,3,7,8‐テトラクロロジベンゾ‐p‐ジオキシン(一般にTCDDあるいはダイオキシンと呼ばれる)の強力な発癌性,胎児への催奇性などが,住民および散布に参加した米兵に悲惨な災害を与えつつある。…

【ダイオキシン】より

…ダイオキシン類は,癌や先天異常などのさまざまな健康障害を生じさせると考えられているが,その作用メカニズムには不明な点が多い。 ダイオキシン類の毒性が問題になった事件にはベトナム戦争時の枯葉作戦があり,アメリカ軍が散布した枯草剤(枯葉剤)の中にダイオキシン類が混入していたために,ベトナム人およびアメリカ軍兵士に被害が現れた。また1976年イタリアのセベソで化学工場の爆発が起こり,生成したダイオキシンが周辺都市部に降り注ぎ,住民に健康被害が出た。…

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出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について | 情報

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