枳豆志庄（読み）きずしのしよう

日本歴史地名大系

枳豆志庄
きずしのしよう

• 愛知県：知多郡
• 枳豆志庄

藤原氏の長者が代々継承する殿下渡領のうち、東北（とうほく）院領、のち醍醐（だいご）寺領。枳頭子とも書く。康治二年（一一四三）八月一九日付太政官牒案（安楽寿院文書）に野間内海（のまうつみ）庄の四至を示して「戌亥示豆　庄堺」とあるのを初見とする。知多郡に属し野間内海庄の北西に接し、野間内海庄の位置から推して、常滑（とこなめ）市辺りか。東北院領としては、嘉元三年（一三〇五）四月頃と推定される摂渡庄目録（九条家文書）に、同院領三四ヵ所の内に

＜資料は省略されています＞

とあるのを初見とするが、同じ東北院領として同目録にあげられている勅旨田（丹羽郡）が道長時代小弓（おゆみ）庄を寄進した橘惟光の寄進により成立している（良峰氏系図）ことからみて、当庄も長元三年（一〇三〇）の東北院建立後まもない時期に同院領として成立したものと推定される。

出典　平凡社「日本歴史地名大系」