改訂新版 世界大百科事典 「柄在家」の意味・わかりやすい解説 柄在家 (からざいけ) (1)近世農民の一階層。紀伊,遠江また摂津尼崎藩にみられた。尼崎藩では近世初期に年貢,夫役を負担した一軒前の役家が,貧窮により没落し,揚り役百姓になったが,これを柄在家と呼んだ。(2)近世土佐藩における課役の名称。通常田役と呼ばれ,水路補修のため,本田1反につき春3人ずつの課役を徴するものであるが,1822年(文政5)より新田にも課せられた。また臨時の場合には飯米を給した。普請にあたっては,代官,奉行が経営する場合と地請けといって村落に任される場合があった。17世紀半ば野中兼山執政時には,御雇柄在家と称して恣意的な徴発をおこない,飯米を給しないで使役した。執筆者:脇田 修 出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報