柔ら・和ら（読み）やわら

精選版 日本国語大辞典

やわ‐ら やは‥【柔ら・和ら】

〘名〙 (「ら」は接尾語)

① やわらかなこと。しなやかなこと。他の語と複合して用いることが多い。「ねやわらこすげ」「やわらたまくら」など。

※名語記（1275）八「やはらといへる詞如何。答、よはほやらかの反てやはら也」

② (形動) おだやかなこと。温和なこと。物静かなこと。また、そのさま。

※玉塵抄（1563）一七「雍はやわらぐやわらとして」

※歌舞伎・東海道四谷怪談（1825）四幕「わたしが和(ヤハ)らで物を申すうちお返しなさるが、あなたのお為でござりませうぞえ」

③ 柔術。やわらじゅつ。

※仮名草子・浮世物語（1665頃）一「居合・やはら・兵法なんど幼きより手馴れさせ」

④ 船の接触をやわらげるために、舷側に下げておくもの。じんた。

⑤ 飯(めし)をいう。〔物類称呼（1775）〕

出典　精選版 日本国語大辞典