柔ら(読み)ヤワラ

デジタル大辞泉 「柔ら」の意味・読み・例文・類語

やわ‐ら〔やは‐〕【柔ら】

[名・形動]
柔術
船の接触の際の衝撃をやわらげるために舷側げんそくに下げておく、わらで作った球。かませ。じんた。
おだやかなこと。また、そのさま。
わたしが―で申すうち、お返しなさるが、あなたのお為でござりませうぞえ」〈伎・四谷怪談
[類語]柔道柔術

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「柔ら」の意味・読み・例文・類語

やわ‐らやは‥【柔ら・和ら】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「ら」は接尾語 )
  2. やわらかなこと。しなやかなこと。他の語と複合して用いることが多い。「ねやわらこすげ」「やわらたまくら」など。
    1. [初出の実例]「やはらといへる詞如何。答、よはほやらかの反てやはら也」(出典:名語記(1275)八)
  3. ( 形動 ) おだやかなこと。温和なこと。物静かなこと。また、そのさま。
    1. [初出の実例]「雍はやわらぐやわらとして」(出典:玉塵抄(1563)一七)
    2. 「わたしが和(ヤハ)らで物を申すうちお返しなさるが、あなたのお為でござりませうぞえ」(出典:歌舞伎・東海道四谷怪談(1825)四幕)
  4. 柔術。やわらじゅつ。
    1. [初出の実例]「居合・やはら・兵法なんど幼きより手馴れさせ」(出典:仮名草子・浮世物語(1665頃)一)
  5. 船の接触をやわらげるために、舷側に下げておくもの。じんた。
  6. (めし)をいう。〔物類称呼(1775)〕

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