柳田布尾山古墳(読み)やないだぬのおやまこふん

国指定史跡ガイド 「柳田布尾山古墳」の解説

やないだぬのおやまこふん【柳田布尾山古墳】


富山県氷見(ひみ)市柳田にある前方後方墳。富山湾を望む標高約30mの丘陵頂部に立地し、前方部を北西に向け、墳丘規模は全長107.5m、後方部長57m、後方部高10m、前方部幅49m。古墳の前方部周囲には周濠がめぐり、前方部両隅に陸橋が設けられているが、葺石(ふきいし)や埴輪(はにわ)は見つかっていない。後方部の東側には径約20mの円形墳墓が接しており、後方部中央を除くと、墳丘の形状はきわめて良好に残され、本来の姿をよく示していることなどから、2001年(平成13)に国の史跡に指定された。遺物として、墳丘周囲から古墳時代前期の土師器(はじき)が出土しているほか、碧玉(へきぎょく)製管玉(くだたま)1点が採集されている。北陸地方では前方後方墳は古墳時代前期に多く見られ、出土土器からも、築造時期は古墳時代前期と考えられる。前方後方墳としては日本海側で最大で、全国的にも十指に入る規模を誇り、北陸における古墳時代前期の政治・社会を考えるうえで重要な古墳とされている。JR氷見線氷見駅から車で約10分。

出典 講談社国指定史跡ガイドについて 情報

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