栗田郷(読み)くるすだごう

日本歴史地名大系 「栗田郷」の解説

栗田郷
くるすだごう

和名抄」所載の郷。クリタの訓もありうるが、大宝二年(七〇二)の御野国本簀郡栗栖太里戸籍(正倉院文書)によりクルスダをとる。比定地については本巣もとす郡栗田郷との関連、美濃国神名帳に載る「栗栖田明神」の座地が問題となるが、いずれも判然としない。「揖斐郡志」「大日本地名辞書」は現本巣郡真正しんせい弾正だんじよう地区をあげる。郡境の根尾ねお川は古くは同地の東側にあったとされ、「和名抄」当時は現揖斐いび郡大野町郡家ぐげ上磯かみいそ・下磯と連結した土地であった。


栗田郷
くるすだごう

「和名抄」所載の郷。クリタの訓もありうるが、大宝二年(七〇二)の御野国本簀郡栗栖太里戸籍(正倉院文書)によりクルスダをとる。「本簀郡栗栖太里」が和銅六年(七一三)から神亀三年(七二六)にかけての郡郷名の好字への統一、およびそれ以後の郷里制、そして郷制への移行により栗田郷になったものであろう。本巣郡の西にあたる大野郡にも同名の郷がみえ、また美濃国神名帳には大野郡に「従五位下栗栖田明神」が記載されているが、それらとの関係を重視すれば、郷域は郡西方に比定しなければならない。


栗田郷
くりだごう

「和名抄」では高山寺本が「粟田」、伊勢本・東急本・名博本・元和古活字本が「栗田」とする。いずれも訓を欠くが、「くりだ」と読む説に従う。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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