知恵蔵 「核実験と制裁」の解説 核実験と制裁 北朝鮮は2006年10月核実験を行ったと公表した。もっともその規模は成功とはほど遠いものであったが、このことを懸念して国連安保理もまた決議1718号でこれを平和への脅威であると非難した。これに従って制裁措置として、戦車などの兵器や、核・弾道ミサイル・大量破壊兵器に流用される可能性のある物、さらにぜいたく品を挙げたが、北朝鮮側は拒否した。6者協議が12月に北京で開催され休会した。日本は拉致問題もあり対話と圧力を方針に、経済制裁措置を発動、貿易、為替などの制限を科している。もっとも米国が核無能力化へと方針を転換し、また07年9月には、制裁に積極的であった安倍内閣が瓦解、代わって慎重な福田内閣が発足したこともあり、制裁措置は継続されているが、人道援助に関しては進める方向が出ている。 (下斗米伸夫 法政大学法学部教授 / 2008年) 出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報 Sponserd by