核抑止理論(読み)かくよくしりろん(その他表記)nuclear deterrent theory

日本大百科全書(ニッポニカ) 「核抑止理論」の意味・わかりやすい解説

核抑止理論
かくよくしりろん
nuclear deterrent theory

核兵器の威力で相手を恐れさせ、攻撃してくることができないようにしようとする考え方。初期のアメリカの核戦略のように、圧倒的な核戦力の優位を保つことで相手を威嚇する最大限抑止力論、ソ連の核戦力も強大になって以後の、相手にとって耐えがたい報復攻撃能力をバランスさせようとする相互確証破壊とよばれる相互抑止力論、あるいはフランスの核武装論のように、小規模の核戦力でも大国に大きな被害を与えうると信じ込ませることができれば、それで十分な抑止力となりうるという最小限抑止力論などがある。核兵器の技術的発達は、核抑止理論を絶えず不安定なものとしてきたが、冷戦後もこの理論が核戦略の基本的な思考であることに変わりはない。

[服部 学]

『山田浩著『核抑止戦略の歴史と理論』(1979・法律文化社)』▽『陸井三郎・服部学編『核で核は防げるか』(1982・三省堂)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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