国指定史跡ガイド 「根室半島チャシ跡群」の解説
ねむろはんとうチャシあとぐん【根室半島チャシ跡群】
北海道根室市温根沼(おんねとう)・穂香(ほにおい)・牧の内ほかにある24ヵ所のチャシ跡。おもにチャシの周囲に掘られた空堀が残る。チャシは、アイヌによって16世紀から18世紀に建造された砦で、北海道内に約700あるといわれるが、根室半島にはそのうち約30のチャシが集中し、そのうち国の史跡として指定された24の遺跡が「根室半島チャシ跡群」である。いずれも海岸断崖上の台地にあり、1983年(昭和58)に国指定史跡となり、翌1984年(昭和59)に追加指定された。空堀は方形に掘られており、チャシの様式としては最終的な形式のもので、濠は明瞭な状態で保存されているが、その内側にどのような建造物が建てられていたかは現在わかっていない。JR根室本線根室駅から車で約30分。