根掛け(読み)ねがけ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「根掛け」の意味・わかりやすい解説

根掛け
ねがけ

江戸時代にできた日本髪に用いる女性用の髪飾りの一種。髪の髻(もとどり)を根というが、そこに掛けて飾りとするもの。女性の髪形は、江戸時代初期はわずかに十指に満たない数であったが、元禄(げんろく)(1688~1704)以後、髪形の数が増え始め、髪飾りとしても櫛(くし)、笄(こうがい)、簪(かんざし)をさすようになり、絞りを用いる手絡(てがら)が生まれ、さらに根に髪飾りをつけることになった。手絡と同じくその多くは縮緬(ちりめん)地のものであったが、松平定信(さだのぶ)による寛政(かんせい)の改革(1787~93)の際の倹約令以後、中年以上の婦人が籐(とう)の組物、金糸・銀糸の三筋撚(よ)り、明治からは金、銀、べっこう、ひすい、サンゴ玉、ガラスの丸玉に紐(ひも)を通したもの、なかには金銀の細工物を帯状にしたものなどを用いた。しかし日本髪の衰退につれて、その利用も少なくなった。

[遠藤 武]

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