根無藤(読み)ねなしふじ

日本歴史地名大系 「根無藤」の解説

根無藤
ねなしふじ

[現在地名]蔵王町円田 根無藤

円田えんだ集落の西、近世期の笹谷ささや街道の道脇にある地名で、文治五年(一一八九)の奥州合戦の跡と伝える。跡地は円田村永野ながの宿・平沢ひらさわ猿鼻さるはな宿の二宿間に位置し、小規模ながら中世的城館の形を保ち、頂上部に薬師堂がある。「封内名蹟志」や「観蹟聞老志」に源頼義が挿した藤の鞭が大樹になったという伝承が記される。源頼朝が平泉藤原泰衡を討つため、文治五年大軍を率いて奥州に入り、八月一〇日伊達だて(現福島県)・刈田郡境の阿津賀志あつかし(厚樫山)を守る平泉軍を攻め破った。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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