根羽(村)(読み)ねば

日本大百科全書(ニッポニカ) 「根羽(村)」の意味・わかりやすい解説

根羽(村)
ねば

長野県南西端、下伊那郡(しもいなぐん)の村。西を岐阜県、南を愛知県と接する山村。矢作川(やはぎがわ)の上流部を占め、谷底集落やわずかな耕地があるほかは山林である。近世は伊那谷と三河(みかわ)(愛知県)を結ぶ三州街道(国道153号)の中馬(ちゅうま)宿として繁栄したが、三信鉄道(のち国鉄・現、JR飯田(いいだ)線)の開通後は隔絶山村となった。県都長野市へは1日がかりで、生活圏は愛知県にある。高温多湿でスギの美林があり、シイタケ栽培も盛んであるが、隣接する愛知県豊田(とよた)市への通勤者が多い。「三方の辻(つじ)」とよばれる分かれ道には江戸時代の道標が残る。月瀬の大スギ(つきぜのおおすぎ)は国指定天然記念物。面積89.97平方キロメートル、人口852(2020)。

[小林寛義]

『根羽小学校編・刊『古老の記憶に残る根羽』(1966)』


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