根羽(読み)ねんば

日本歴史地名大系 「根羽」の解説

根羽
ねんば

戦国期にみえる地名で、現在の念場ねんばにつながるものと推定される。天正一〇年(一五八二)九月七日の徳川家印判状写(寛永諸家系図伝)に「根羽」とみえ、本領として三貫七〇〇文の地が小尾監物祐光に安堵された。同月九日には津金修理亮胤久に本領として「根羽樫山共五貫文」が安堵されている(「徳川家印判状写」譜牒余録)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「根羽」の意味・わかりやすい解説

根羽(村)
ねば

長野県南西端、下伊那郡(しもいなぐん)の村。西を岐阜県、南を愛知県と接する山村。矢作川(やはぎがわ)の上流部を占め、谷底集落やわずかな耕地があるほかは山林である。近世は伊那谷と三河(みかわ)(愛知県)を結ぶ三州街道(国道153号)の中馬(ちゅうま)宿として繁栄したが、三信鉄道(のち国鉄・現、JR飯田(いいだ)線)の開通後は隔絶山村となった。県都長野市へは1日がかりで、生活圏は愛知県にある。高温多湿でスギの美林があり、シイタケ栽培も盛んであるが、隣接する愛知県豊田(とよた)市への通勤者が多い。「三方の辻(つじ)」とよばれる分かれ道には江戸時代の道標が残る。月瀬の大スギ(つきぜのおおすぎ)は国指定天然記念物。面積89.97平方キロメートル、人口852(2020)。

[小林寛義]

『根羽小学校編・刊『古老の記憶に残る根羽』(1966)』


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改訂新版 世界大百科事典 「根羽」の意味・わかりやすい解説

根羽[村] (ねば)

長野県南西端,下伊那郡の村。人口1129(2010)。根羽川の上流域を占め,南と西は愛知県,北西は岐阜県に接する。信濃と三河を結ぶ三州街道(国道153号線)が通じ近世には中馬の往来が盛んで問屋などがあった。木曾山脈南東端にあって村域の大部分は山林・原野で占められ,根羽川沿いに耕地が開ける。ホウレンソウトウモロコシ,シイタケなどが栽培され,牛や豚の飼育も盛ん。愛知県境の茶臼山(1415m)一帯天竜奥三河国定公園に属する観光地。月瀬地区には樹高約49mの大杉(天)がある。
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