格納容器(読み)カクノウヨウキ

デジタル大辞泉 「格納容器」の意味・読み・例文・類語

かくのう‐ようき〔カクナフ‐〕【格納容器】

原子炉格納容器

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知恵蔵 「格納容器」の解説

格納容器

原子炉周辺の主要機器を格納する密閉性・耐圧性の高い容器。実際には容器というより建造物。格納容器内にあるのは、加圧水型炉では圧力容器、加圧器、蒸気発生器など。沸騰水型炉では圧力容器、再循環ポンプなど。放射性物質がこれら主要機器から外に漏れた場合にも、野外にまでは出ないような気密構造になっている。日本や米国の原子炉には必ずあるが、旧ソ連など、格納容器のない原子炉もある。蒸気を発電タービンに送る配管が格納容器の壁を貫通している。沸騰水型炉では、炉心を通って放射能を帯びた冷却水が高圧蒸気となってこの配管を通る。そこで、壁のすぐ内側外側に隔離弁が設けられ、事故時には即座に閉まる仕組みになっている。

(渥美好司 朝日新聞記者 / 2008年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「格納容器」の意味・わかりやすい解説

格納容器
かくのうようき
containment vessel

原子炉と冷却系統などを収めた建物。普通球形あるいは釣鐘形の鋼鉄あるいは特殊なコンクリートで造られ,原子炉容器破損,原子炉の事故,1次冷却系の破損などが起きても放射性物質が外に出ないように,気密・耐圧構造になっている。また,内部温度と圧力を下げるための冷却・減圧装置や,発生した水素ガスを水に戻す装置が備えられており,外部からの衝撃にも耐えられる構造になっている。

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世界大百科事典(旧版)内の格納容器の言及

【原子炉】より

…さらに,一次冷却材系統が万一破損しても放射性物質が環境へ大量に放出されることのないように,原子炉容器ならびに一次冷却材系統の主要部を気密容器に収める。この容器を格納容器という。以上を図示すると図3のようになる。…

※「格納容器」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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