桑野内村(読み)くわのうちむら

日本歴史地名大系 「桑野内村」の解説

桑野内村
くわのうちむら

[現在地名]五ヶ瀬町桑野内

さんしよ村の北東に位置する。東から南にかけ押方おしかた(現高千穂町)、北は河内かわち村・田原たばる(現同上)、西は肥後国。高千穂一八ヵ郷の一。元弘三年(一三三三)鎮西探題攻めに敗れた菊池・阿蘇一族鞍岡くらおか山に逃れたが、探題方の規矩高政軍は三月二七日に「日向道ヨリ搦手ノ案内者ヲ被申シ間、仰日向国、柴原、桑内二人ニ仰テ進案内者、同日彼人等下人下向」とあり、同二九日鞍岡城は落城した(楠木合戦注文・博多日記)。桑内は当地の豪族と思われ、柴原は南朝方としてその名が知られる高千穂の豪族芝原性虎の一族であろう。芝原氏はその後興梠氏を名乗り桑野内村に移住したという(元禄四年「高千穂旧記」五ヶ瀬町史)。天正五年(一五七七)島津軍が伊東氏の本拠都於郡とのこおり(現西都市)に迫るなか、伊東義祐は大友氏を頼って豊後へ落ちることを決意する。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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