梔子色（読み）クチナシイロ

デジタル大辞泉

くちなし‐いろ【梔^＝子色】

１ クチナシの実で染めた、少し赤みがかった濃い黄色。
２ 襲かさねの色目の名。表裏とも黄色のもの。

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

くちなし‐いろ【梔子色】

1. 〘 名詞 〙
2. ① クチナシの実で染めた、濃い黄色。また、一般に、やや赤みを帯びた濃い黄色。山吹色。くちなし。
   1. [初出の実例]「咲きにけり口なしいろの女郎花いはねどしるし秋のけしきは〈源縁〉」(出典：二度本金葉（1124‐25）秋)
3. ② 襲(かさね)の色目の名。表裏とも黄色のもの。くちなし。

出典　精選版 日本国語大辞典

色名がわかる辞典

くちなしいろ【梔子色】

色名の一つ。支子色とも書く。アカネ科クチナシの実で染めた、少し赤みのある黄色。赤みの濃淡にはやや幅がある。平安時代には黄支子きくちなしと呼ばれた伝統色名。『延喜式えんぎしき』に記述があるほか、『古今和歌集』などにも詠まれている。襲かさねの色目いろめの名でもあり、表と裏の両方が黄色。クチナシの実は山梔子さんししともいい、食品などの着色料、消炎、解熱などに効く生薬しょうやくとしても用いられる。

出典　講談社