棚沢村(読み)たなざわむら

日本歴史地名大系 「棚沢村」の解説

棚沢村
たなざわむら

[現在地名]厚木市棚沢・鳶尾とびお一丁目、愛甲あいこう愛川あいかわ町棚沢

東方を中津なかつ川が流れ、東は下川入しもかわいり村・三田さんだ村、西は上荻野かみおぎの村・中荻野なかおぎの村、南は下荻野しもおぎの村、北は八菅はすげ(現愛川町)半縄はんなわ熊坂くまさか(現同町)・棚沢三ヵ村の入会地と接する。「風土記稿」によれば、正保年間(一六四四―四八)以後、下川入村から分村したとし、正保国絵図には記されないが、元禄郷帳に「棚沢村」とみえる。


棚沢村
たなざわむら

[現在地名]奥多摩町棚沢

白丸しろまる村の東、主集落は多摩川北岸の河岸段丘と後背山地に立地する。田園簿に村名がみえ、高九一石余(皆畑)。元禄郷帳では高一九九石余。「風土記稿」によれば家数九三、山林七割・陸田三割、農間に材木の切出し・炭焼・川魚漁などに従事し、運上銀を納めた。御林山のほか、小丹波こたば・白丸・海沢うなざわ三ヵ村との入会山じよう山などがある。多摩川には各谷間よりいり川・西にし川・ふな川・あな沢などが流入する。村の中ほどにある魚留うおどめ滝では四―五月鱒をすくいとったという。ほかに不動ふどう滝・おぼろ滝・銚子ちようし滝など多くの滝がある。小名に上棚沢・下棚沢・坂下さかした天目指あまめざす垢離尽こりつき(古里附か)があり、坂下は多摩川南岸にある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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