朝日日本歴史人物事典 「森川竹窓」の解説
森川竹窓
生年:宝暦13(1763)
江戸後期の書家,篆刻家。名は世黄,字は離吉,号は竹窓また良翁,通称曹吾。大和(奈良県)の生まれ。一時期,江戸に出て秋田藩佐竹氏に仕えたが,のち大坂に移り住んだ。書は岳玉淵のもとで古法帖の臨書を中心に学んだ。特に篆書,隷書を得意とし,加えて篆刻にも独自の境地を開拓した。著述に,日本の古名蹟を模刻集録した『集古浪華帖』,款識(古代青銅器に刻まれた文字)について論じた『款藪』をはじめ,『草行集字句選』『雨栗余情』『浪華の家つと』などがある。また,松平定信の『集古十種』の編纂にも参画した。
(永由徳夫)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報