朝日日本歴史人物事典 「森重都由」の解説
森重都由
生年:宝暦9(1759)
江戸後期の兵学者,砲術家。合武三島流船軍術,森重流砲術の創始者。通称は武平。字は仲美。烏山,独立軒と号した。周防国末武(下松市)に生まれ,三田尻の村上蔵人に就いて三島流舟船法を学び,天山流,さらに諸国を遊歴して安盛流,中島流などの砲術を修めた。のち山本良弌から橋爪廻新斎流合武伝法を授けられ,これらに甲越諸流の兵学を勘案して『舟船要法』28巻と火砲書数巻を著し合武三島流を興した。火器を装備した大艦による水戦術を得意とし,また江戸佃島沖で催される都由一門による狼煙打ち揚げは,江戸の風物詩となった。享和3(1803)年,西ノ丸御書院番与力に召されて蝦夷地に派遣されている。
(所荘吉)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報