検察官定年延長法案(読み)けんさつかんていねんえんちょうほうあん

知恵蔵mini 「検察官定年延長法案」の解説

検察官定年延長法案

検察官定年延長を可能にする検察庁法改正案のこと。検事総長を除く検察官の定年を63歳から65歳に引き上げ、63歳時点で検事長次長検事検事正などの役職を降りる役職定年制の導入を提案する一方で、内閣や法相が必要と認めた場合は最長で3年間、66歳までその役職での勤務を延長できる規定が盛り込まれている。2020年、国家公務員の定年を引き上げる「国家公務員法等の一部を改正する法律案」の一つとして国会に提出された。検察官は行政組織の一員ではあるが、国会議員や内閣総理大臣閣僚に対しても捜査権限や起訴権限を持つ準司法官でもあり、政治的中立性が求められる。そのため、国家公務員法の定年延長を含む定年制は検察庁法により適用を除外されてきたが、同法案の成立で政権の検察人事への介入が可能になり、憲法の基本原則である三権分立を揺るがす恐れもあることから、野党や国民の反発を招いた。

(2020-5-11)

出典 朝日新聞出版知恵蔵miniについて 情報

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