楠木合戦注文(読み)くすのきかっせんちゅうもん

改訂新版 世界大百科事典 「楠木合戦注文」の意味・わかりやすい解説

楠木合戦注文 (くすのきかっせんちゅうもん)

京都東福寺の良覚が記した1333年(元弘3・正慶2)の見聞記である《正慶乱離志》の一部。正慶2年の幕府による千早城攻撃について,三方大和道,河内道,紀伊道)に配置された幕府軍の編成合戦に際しての幕府の指令5ヵ条,および正慶1年12月から翌年の閏2月にいたる合戦の様子が記されている。《正慶乱離志》はほかに《博多日記》をふくむ。《続史籍集覧》および《続々群書類従収載
筆者

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「楠木合戦注文」の意味・わかりやすい解説

楠木合戦注文
くすのきかっせんちゅうもん

元弘3=正慶2 (1333) 年の合戦に関する記録。1巻。筆者は東福寺の僧良覚。鎌倉幕府軍勢が後醍醐天皇方の楠木正成のたてこもる河内国 (大阪府) 赤坂城ほかを攻略したときの見聞記で,両軍部署や合戦後の処分における幕府の命令などが記されている。同年の九州の合戦記録『博多日記』とともに,『正慶乱離志』と総称されている。『続史籍集覧』に収められている。

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