史籍集覧(読み)シセキシュウラン

デジタル大辞泉 「史籍集覧」の意味・読み・例文・類語

しせきしゅうらん〔シセキシフラン〕【史籍集覧】

国史叢書。969巻(468冊)。近藤瓶城こんどうへいじょう編。明治14~18年(1881~85)刊。江戸時代までの国史関係の記録編纂へんさん物などの群書を分類して収録したもの。同33~36年、改訂増補版を刊行

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精選版 日本国語大辞典 「史籍集覧」の意味・読み・例文・類語

しせきしゅうらんシセキシフラン【史籍集覧】

  1. 叢書。近藤瓶城が明治一四~一八年(一八八一‐八五)にかけて、「群書類従未収の日本歴史関係の書物三四四種を集め、校訂したもの。さらに「続史籍集覧」に史書七四種を収めて、明治二六~三一年にかけて刊行した。その後、その子圭造が正編を改訂増補した「改訂史籍集覧」三二冊がある。「国史大系」「群書類従」とともに国史関係の三大叢書といわれる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「史籍集覧」の意味・わかりやすい解説

史籍集覧
しせきしゅうらん

明治以前の史籍の叢書。大部の史籍等は除く。364部・467冊、総目解題1冊、和装本。旧三河岡崎藩儒学者近藤瓶城(はじめ圭造とも)編。1881年(明治14)~1885年刊。瓶城は、塙保己一(はなわほきいち)にならい、彼の『群書類従』には収録されなかった史籍の編集を企画し、東京深川の自邸に近藤活版所を設立して予約購読者を募集し、子の圭造が事務をとって出版した。限定予約出版の嚆矢(こうし)。1883年には『史籍集覧史料叢書』14冊(江戸時代の著者不明の書を収める)を和装出版。1893~1898年には『続史籍集覧』71冊を和装出版(のち洋装10冊に改編)。次いで1900年からは、他社の出版物は省き新しい書目を加えて『改訂史籍集覧』の刊行を開始した。この間、麹町(こうじまち)区飯田町に移り近藤出版部と改称。1901年瓶城の死後は圭造が継ぎ、洋装本459部・27冊、編外3部・5冊、総目解題及書目索引1冊を1903年完成。室町時代や江戸時代の覚書や合戦記、随筆等を多く収めた点が新機軸である。のち『続群書類従』が刊行開始されたため重複が少なくない。第二次世界大戦後に数種類の複製が出たが、そのうち『改定史籍集覧』33冊は、瓶城・圭造の版の複製(臨川書店、1983~1984年)。『新訂増補史籍集覧』43冊・別巻1冊は、同じ書店からの複製であるが、削除されたものや新しく版を起こしたものもあり、編成も改められている。『続史籍集覧』洋装10冊も続編として入っている。1960~1973年刊。またのちに公家部として「除目大成抄」1冊が新しく印刷されて加えられた(1984年刊)。

[益田 宗]

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改訂新版 世界大百科事典 「史籍集覧」の意味・わかりやすい解説

史籍集覧 (しせきしゅうらん)

江戸時代までの日本の史籍の叢書。和装本。192部。1881-85年刊。ほかに総目解題1冊。刊誤2冊を出版する予定であったらしい。編者は岡崎藩の儒者近藤瓶城(宗元,1832-1901)。古典保存の目的で《群書類従》に漏れた諸書を通記,編録,類聚,雑纂等に分けて収録。《続群書類従》と重複する書物も多いが,戦国時代前後の合戦記ほかを多く集めている点で今日でも貴重である。近藤は1893-98年に《続史籍集覧》和装本58部(のち洋装本10冊)を刊行した。さらに《史籍集覧》の改訂を企てたが,果たさず病没。子の圭造は父の遺業を継ぎ,1902年から《改定史籍集覧》の刊行を開始し,井上頼圀,小杉榲邨,三上参次の援助をうけて,32冊・総目解題1冊を完成させた。このとき,国文関係の既刊本のある書物を削り,新しく270部を加えた。近年復刻版も出ている。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「史籍集覧」の意味・わかりやすい解説

史籍集覧
しせきしゅうらん

古代から江戸時代にかけての記録,史書類を集録,編纂したもの。和装本 468冊。近藤瓶城編。 1881~85年刊行された。『群書類従』のあとをうけて,その逸漏を補い,通記類 36種,編録類 96種,類聚類5種,雑纂類 201種,以伝類6種を収める。次いで 93~98年に続編 70冊が出され,さらに 1900~03年瓶城の子圭造によって正編の改訂増補版『改定史籍集覧』が刊行された。洋装本,正編 27冊,編外5冊,総目解題1冊で 460種余を収録。『群書類従』と並んで貴重な史料である。

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「史籍集覧」の解説

史籍集覧
しせきしゅうらん

江戸時代までの日本の史籍の叢書。和装本,364部,467冊,総目解題1冊。旧岡崎藩の儒者近藤瓶城(へいじょう)編,1881~85年(明治14~18)刊。改訂版の「改定史籍集覧」は464部,32冊,総目解題及書目索引1冊,洋装本。1900~03年刊。「群書類従」に収録されていない史籍の刊行を企画。改訂版の前に出された「続史籍集覧」は洋装本10冊,1893~98年刊。「新訂増補史籍集覧」は第2次大戦後の刊行で,瓶城・圭造父子の扱わなかった書物を加えて改編したもの。

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旺文社日本史事典 三訂版 「史籍集覧」の解説

史籍集覧
しせきしゅうらん

明治中期,平安時代から江戸末期に至る記録・編集物を収集した叢書
旧岡崎藩儒者近藤瓶城 (へいじよう) が独力で収集,出版したもので,467冊。総目解題1冊。歴史・地理・法制・文学・美術・宗教など各方面のものを集め,『国史大系』『群書類従』を補う重要文献。

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