榎本弥左衛門(読み)えのもとやざえもん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「榎本弥左衛門」の意味・わかりやすい解説

榎本弥左衛門
えのもとやざえもん
(1625―1686)

江戸前期の商人武蔵(むさし)国川越(かわごえ)(埼玉県川越市)の人。商売の中心は、江戸で関西方面からの下り塩を買い付け川越藩に納めるほか、川越や近在で小売人を通じて売りさばく塩仲買業。商業活動と相続争いを通じて家永続についての強い意識をもつようになり、利欲を積極的に肯定した家職(かしょく)論などを展開した。近世前期の庶民の書き記した日記類がほとんど残存していないなかで、弥左衛門の日々のメモ『万(よろず)の覚(おぼえ)』と子孫のために記した『三子(みつご)よりの覚(おぼえ)』は、ともに貴重な史料になっている。

[奈倉哲三]

『『川越市史 史料編 近世Ⅱ』(1977・川越市)』

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「榎本弥左衛門」の解説

榎本弥左衛門 えのもと-やざえもん

1625-1686 江戸時代前期の商人。
寛永2年生まれ。関東一円で塩やたばこの商売をいとなんだ武蔵(むさし)川越(埼玉県)榎本家の4代目。自分の体験・見聞したことをしるした「万之覚(よろずのおぼえ)」と,子孫をいましめた「三子(みつご)より之覚」をかきのこした。貞享(じょうきょう)3年死去。62歳。名は忠重。

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367日誕生日大事典 「榎本弥左衛門」の解説

榎本弥左衛門 (えのもとやざえもん)

生年月日:1625年10月8日
江戸時代前期の武蔵国川越の豪商
1686年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

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