日本大百科全書(ニッポニカ) 「構内交換」の意味・わかりやすい解説
構内交換
こうないこうかん
事務所、工場、ホテルなどの事業所の構内に設置され、事業所内の電話相互、および事業所内の電話と加入電話回線(局線)とを接続するための電話交換設備。通常はPBX(private branch exchangeの略称)といわれている。PBXに収容されている電話機を内線電話機といい、局線から内線電話機への着信接続は、かならず局線中継台を経由して行われる。内線電話相互の接続には、局線中継台の交換取扱者による接続を主体とする手動式と、局線着信以外の接続を自動化した自動式とがある。また、音声信号をデジタル化して交換処理をするデジタルPBXもある。
交換機の規模としては、数個の内線電話機のものから数千のものまで広範囲である。交換装置は、電話局用の交換機と異なりクローズドされたシステムで、内線電話機と局線とを接続する基本的な機能に加えて、オフィスオートメーションやホテルサービスなど多種多様なサービス機能をもっている。おもなものとしては、内線が話し中の場合、終わるまで待てば自動的に接続される機能、内線を呼び出したときに話し中であった場合、さらに最後の1桁(けた)をダイヤルすることにより他の内線に接続できる機能(最後の1桁だけ異なる番号をもつほかの電話をよぶ機能)、および内線からダイヤル操作を行うことにより、他の内線を呼び出し三者通話を行う機能(隣接するセクションの担当者などが不在のとき、その電話を代理応答するための転送機能)などがある。
[宇治則孝・星野博文]