構造調整ファシリティ(読み)こうぞうちょうせいファシリティ(英語表記)Structural Adjustment Facility; SAF

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「構造調整ファシリティ」の意味・わかりやすい解説

構造調整ファシリティ
こうぞうちょうせいファシリティ
Structural Adjustment Facility; SAF

債務国の発展をはかり,構造調整を促すために,国際通貨基金 IMFが 1986年3月に設けた融資制度。構造調整融資制度ともいう。SAFに基づく融資は年利 0.5%,返済期間 10年とされ,貸し出し対象国は国民 1人あたりの所得が年間 550ドル以下の発展途上国で,長期的に国際収支赤字になっていること,3年の調整計画を策定すること,などが条件とされた。1987年,SAFの規模を拡充した拡大構造調整ファシリティ ESAFが導入され,1996年には恒久的な融資制度となり,IMFの貧困国に対する支援戦略の中核をなした。1999年,ESAFの後継として,貧困の削減と成長をより重視する貧困削減・成長ファシリティ PRGFが創設された。(→累積債務問題

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android