横井 時敬(読み)ヨコイ トキヨシ

20世紀日本人名事典 「横井 時敬」の解説

横井 時敬
ヨコイ トキヨシ

明治・大正期の農学者,農政学者,農業指導者 東京農業大学初代学長;東京帝大名誉教授。



生年
安政7年1月7日(1860年)

没年
昭和2(1927)年11月1日

出生地
肥後国(熊本県)

学歴〔年〕
駒場農学校(現・東京大学農学部)〔明治13年〕卒

学位〔年〕
農学博士〔明治32年〕

経歴
熊本藩士の家に生まれ、熊本洋学校で英語を学んだのち、上京。駒場農学校の第2回卒業生。明治14年兵庫県に出仕、15年福岡県立農学校教諭に転じ、この頃種もみの“塩水選種法”を発明。一時退職して雑誌「農業時論」を創刊。22年M.フェスカの推薦で農商務省技師として迎えられたが、翌23年辞任。同年農学会幹事長(のち会長)となり“興農論策”策定の中心的役割を果した。24年帝大農科大学教授となり、32年ドイツ留学、大正11年辞職し12年名誉教授となる。この間、明治44年〜昭和2年東京農大初代学長を務める。また明治30年代から農政理論家として活躍、農民教育に尽力。39年から死去まで大日本農会の副会頭、理事長を務め、この間全国の町村を遊説してまわり、農民に農業振興を訴えた。農学教育研究会会長、帝国耕地協会会長その他多くの農政関係の団体機関に参画し、農業界諸分野に重きをなした。著書「栽培汎論」は日本農学史上の名著とされる。他の著書に「稲作改良法」「農業汎論」「農業経済学」「農村制度の改造」、「横井時敬全集」(全10巻)など。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報