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農業経済学 のうぎょうけいざいがくagricultural economics

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

農業経済学
のうぎょうけいざいがく
agricultural economics

一般的には農業を対象とする経済学経済に占める農業の重要性から,F.ケネー,A.スミス,D.リカードといった著名な経済学者は多かれ少なかれ農業経済学者としての一面を有しているが,狭義にはマルクス経済学立場に立つ議論と,主としてアメリカで発達した現代経済学の立場に立つ議論との2つがある。前者は農業のもつ特殊性や歴史的発展,土地所有のパターン,土地の利用方式に力点をおき,社会的生産諸関係とのつながりを重視する。後者はアメリカにおいて 20世紀初頭に確立した分野で,H.L.ムーアによる計量経済学的分析などを意欲的に応用し,応用経済学としての色彩が強い。近年は T.W.シュルツのように,教育・人的資本の概念を重視する傾向が顕著である。

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デジタル大辞泉の解説

のうぎょう‐けいざいがく〔ノウゲフ‐〕【農業経済学】

農業に関する経済現象を研究する経済学の一分野。

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世界大百科事典 第2版の解説

のうぎょうけいざいがく【農業経済学 agricultural economics】

農業は,経済一般の動きに規定されながらも,さまざまな独特の経済問題をひき起こす。たとえば,土地を使い,自然の環境のなかで生産が行われるというその特質から,農業生産は天候のいかんで大きく変動し,思いがけない需給不均衡を生じ,それにともなって農産物価格が暴騰したり暴落したりするという独特の動きを示す。農業以外の産業では,各経営間に生産上あるいは営業上の優劣があっても,その差は市場競争のなかで均等化する必然性をもち,均等化させることができるが,農業の場合,最も重要な基礎的な生産手段になる土地の豊度差が均等化できないため,農業経営間の生産条件の差は固定性をもつ。

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大辞林 第三版の解説

のうぎょうけいざいがく【農業経済学】

農業部門の経済諸問題を研究する学問。農業経営学・農政学・農業史・農業金融論など。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

農業経済学
のうぎょうけいざいがく
agricultural economics

農業経済学とはどういう学問かを一義的に規定することはむずかしい。また、農業経済学を農政学や農業経営学といわれる学問とどのように区別するかはあまり明らかではなく、用いる人によっても内容が異なってくる。しかし、農業経済学とは「経済学を用いて、農業の経済現象を分析する経済学の一分野である」ことはだれしも異存がないであろう。
 農業経済学の主要課題の一つは農業所得の低位性や不安定性の解明であるが、この課題の究明も、農業生産部門のみを問題にしては、問題の本質を見失うおそれがある。それは、農業と他産業部門との関連から生ずるものが多く、そのため農業生産部門のみならず、農産物の加工・流通部門、農業金融、農機具や肥料などの農業資材供給部門、農産物貿易、発展途上国の経済発展、世界の食糧と人口などの外国農業に関連する諸分野までが、研究教育の対象となるのである。
 農業経済学の数ある研究分野のうち、比較的新しく、また最近もっとも活発なのは、アグリビジネスの研究である。国民経済の発展とともに、農業の相対的地位はますます縮小していくことは経験的に明らかであるが、同時に、農業と他の産業部門との相互依存関係はますます深くなっていく。諸産業のうち農業と直接に関連を有する農業資材供給部門、農産物の加工・流通部門、農業生産部門の三部門の統合体が「アグリビジネス」とよばれる。
 アグリビジネスの生産性向上を研究し、とくに国民経済の成長に見合うように、アグリビジネスの構造再編を進めることはたいせつである。構造再編がうまくいかないと、農産物の供給過剰、価格の不安定、零細な経営規模、低い農業所得などのもろもろの農業問題が生じてくる。この再編をうまく行い、アグリビジネスはもちろん他の産業部門にも過剰な労働力を吸収させることによって低所得農家の離農や兼業化を促進し、専業農家の規模を拡大し、また需要に見合った農産物の供給を行い、農業所得を高め、安定させることは、農業経済学の中心課題である。[土屋圭造]
『土屋圭造著『農業経済学』改訂版(1981・東洋経済新報社) ▽速水佑次郎著『農業経済論』(1986・岩波書店)』

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