横川飯室谷(読み)よかわいいむろだに

日本歴史地名大系 「横川飯室谷」の解説

横川飯室谷
よかわいいむろだに

横川の別所で、「いむろ」とも。横川中堂南東約一・五キロ下った山麓近くに位置する。かつて飯櫃ぼんき童子が老仙人の姿となって慈覚大師に飯食を献じたという伝説に由来する飯室寺が建立され、また吉祥山宝満ほうまん寺とも称される(山門堂舎由緒記)。谷の本堂不動堂(妙香院)で、恵光坊流飯室回峰行の根本道場でもある。旧跡には、上東門院の御願により建立の釈迦堂や、慶長元年(一五九六)一二月に松禅院玄俊が崇源院殿の命で不断護摩供を修したという松禅しようぜん院の長日護摩ちようじつごま堂をはじめ、法華堂・勝楽しようらく院・千手堂・如法堂、三十番神社・山王社・天神社・赤山せきざん明神社・春日明神社などが記される。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報