円乗院(読み)えんじよういん

日本歴史地名大系 「円乗院」の解説

円乗院
えんじよういん

[現在地名]与野本町西一丁目

高沼こうぬま排水路、本町ほんまち通の西側に位置する。安養山西念さいねん寺と号し、真言宗智山派。本尊は不動明王。畠山重忠の草創と伝え、古く道場どうじよう(現浦和市)にあったが、いつの頃か当地に移転したという(風土記稿)。現在道場には重忠開基と伝え、近世当院末であった金剛こんごう寺があり、天正一九年(一五九一)六月の足立郡与野之郷道場村御縄打水帳写(島崎家文書)には円乗院作と記された畑が一二筆も散見される。


円乗院
えんじよういん

[現在地名]横須賀市秋谷

秋谷あきや集落の西、字久留和くるわの海岸にある。海上山普門寺と号し、真言宗大覚寺派、本尊は大日如来。正慶元年(一三三二)朝賢の起立という。大永六年(一五二六)火災により先師帳その他の重宝を焼失したという。安政六年(一八五九)の円乗院と出入一件控(若命文書)によれば、秋谷村惣鎮守伊勢神明宮の神職であった若命家と、祈願所である円乗院の間には古くから職掌の分担につき紛争があったと思われ、この年やや円乗院に有利に調停が成立した。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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