橘屋又三郎(読み)たちばなやまたさぶろう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「橘屋又三郎」の意味・わかりやすい解説

橘屋又三郎
たちばなやまたさぶろう

生没年不詳。戦国時代和泉(いずみ)国堺(さかい)(大阪府堺市)の商人。1543年(天文12)ポルトガル人が種子島(たねがしま)に鉄砲を初めて伝えた。島主種子島時堯(ときたか)は二挺(ちょう)の鉄砲を買い取るとともに、製作技術と火薬製法家臣に学ばせた。その後、紀伊根来(ねごろ)寺の僧杉坊明算(すぎのぼうみょうさん)が製法を修得し生産を始めたが、又三郎も鉄砲製法を入手するため種子島を訪れ、一両年滞在して八板清定(やいたきよさだ)より製法技術を学び、堺に帰って大掛りに鉄砲製造販売を行った。そのため「鉄砲又」と異名をとり、堺の鉄砲業者の中心となり、堺を全国有数の鉄砲産地とした。

橋詰 茂]

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「橘屋又三郎」の解説

橘屋又三郎 たちばなや-またさぶろう

?-? 戦国時代の貿易商人。
堺の人。種子島に滞在,八板金兵衛(やいた-きんべえ)(?-1570)から鉄砲製造技術を習得。堺にかえり,鉄砲の製造と販売をおこない「鉄砲又(また)」の異名をとった。

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