橘木庄・二宮庄(読み)たちばなのしよう・にのみやのしよう

日本歴史地名大系 「橘木庄・二宮庄」の解説

橘木庄・二宮庄
たちばなのしよう・にのみやのしよう

上総国二宮とされた橘木社(現橘樹神社)の神領を基盤に成立した庄園。鎌倉時代頃まで橘木庄、以後二宮庄と称されたと考えられる。庄名はともに橘木社に由来する。

〔橘木庄〕

康治二年(一一四三)八月一九日の太政官牒案(安楽寿院古文書)によると、上総国長北ちようほく郡内の「橘木庄」が鳥羽上皇寄進され、上皇の菩提所安楽寿あんらくじゆ(現京都市伏見区)の末社となっており、橘木庄は橘木社のことと考えられるが、橘木社の名称は社領の意味としても用いられている。庄園としての立庄は同年以前で、保延六年(一一四〇)藤原通憲(信西)が安楽寿院に寄進し(永暦元年一二月日「尼蓮西解文案」醍醐寺文書)、永治元年(一一四一)一〇月に立券された(「庄々所済日記」安楽寿院古文書)。当庄の四至の東は「滝頭」、南は「長尾堺小牧堤」、西は「杉崎童寺」、北は山辺やまべ郡境であった(前掲太政官牒案)。永治元年は国守(上総介)小槻師経の任終の年にあたり、立庄に師経が介在したことが想定される。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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