檜山郷(読み)ひやまごう

日本歴史地名大系 「檜山郷」の解説

檜山郷
ひやまごう

近世に秋田藩が山本郡内の材木山支配のために置いた郷。正徳二年(一七一二)の口上書(能代木山方以来覚)によると、藩内に置かれた材木郷は北比内きたひない(現大館市・北秋田郡)南比内みなみひない大阿仁おおあに小阿仁こあに(現北秋田郡)、檜山の五郷であった。享保八年(一七二三)の「能代奉行ニ被預置候下筋御材木山々之覚」(「能代掟帳」県立秋田図書館蔵)によると、檜山郷には小掛こがけ山・種村梅内村たねむらうめないむら山・荷上場村八坂村にあげばむらやさかむら山・大沢村おおさわむら山・糟毛村かすげむら山・藤琴村ふじことむら山・母体村もたいむら山が属していた。

材木郷の支配は能代奉行が行ったが、各材木郷には戦国武士の系譜を引くといわれる大肝煎がいて各村々を統轄した。大肝煎代々継承され、北比内は斎藤氏、南比内は中山氏、大阿仁は奈良岡氏、小阿仁は杉淵氏であった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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