櫃田村(読み)ひつたむら

日本歴史地名大系 「櫃田村」の解説

櫃田村
ひつたむら

[現在地名]君田村櫃田

中国山脈の南斜面に位置し、北端恵蘇えそ高暮こうぼ(現比婆郡高野町)境と、南端西入君にしいりぎみ村境とでは一〇〇メートル以上の高度差があり、流れの速い神之瀬かんのせ川が中央を北から南に貫流。川の両側に標高五〇〇メートル以上の山々が連なり、川沿いの狭い谷に民家と耕地が点在する。三次みよし郡最北端にあたり、東西約四キロ、南北約一二キロと細長く、同郡中最大の村。文政二年(一八一九)の「国郡志下調書出帳」に「四歩方之所ハ毎年壱尺四五寸より弐尺位、大雪ト申セハ三尺余モ積申」「六歩方ハ毎年弐尺四五寸より三尺、大雪と申時四尺余も積り申候」とある積雪地帯。村内の小名二四のうち一二は「原」がつく地名で、屋号にも「原」のつくものが多く、俗に「櫃田四十七原」とよばれる。「原」は「はり」で、砂鉄を求めて入った人々の開発定住により成立した村と思われる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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