ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「正戦論」の意味・わかりやすい解説
正戦論
せいせんろん
theory of just war
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…また,国際法の理論も,君主たちにも説得力をもつように,慣行のほかに,ローマ法,神学の理論,自然の摂理,哲人の教えなどが基礎とされ,〈国家間の合意による法〉という視点は未成熟であった。たとえば,戦争法の分野では神学の理論に基づく正戦論が主張され,また,広大な海洋の自然的性質から〈海洋自由の原則〉が主張された。また,領土取得に関しては,ローマ法の考え方を継承する先占の理論が有力であった。…
… 国際法は,沿革的には中世末期以来まずヨーロッパの騎士道精神やキリスト教の影響の下に,またローマ法や教会法の諸概念を援用しつつ,戦争法規として形成されはじめた。しかし当時のスコラ学に基づく正戦論の下で,最大の関心は戦争の正当原因の探求に向けられていた。そして戦争の正当原因を有する君主が処罰として行う戦争には当時の未熟な戦争法規の適用は必ずしも要請されなかったし,まして中立法規はまだ念頭にはなかった。…
※「正戦論」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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