グロチウス(その他表記)Grotius, Hugo

精選版 日本国語大辞典 「グロチウス」の意味・読み・例文・類語

グロチウス

  1. ( [ラテン語] Hugo Grotius フーゴー━ ) オランダの法学者。オランダ名ホイフ=デ・フロート。法に自然法的基礎づけを与えて中世の宗教思想から解放し、また従来国際慣行を体系化して、「自然法と国際法の父」といわれる。主著戦争平和の法」「海洋自由論」。(一五八三‐一六四五

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「グロチウス」の意味・わかりやすい解説

グロチウス
Grotius, Hugo

[生]1583.4.10. デルフト
[没]1645.8.28. ロストク
オランダの政治思想家。法律家,神学者,詩人。デルフトの名門に生まれ,12歳でライデン大学に入学し,オルレアン大学学位を受け,弁護士としてハーグで活躍。オランダ名は Huigh de Groot。その名声は史料編纂家としてマルティアヌス・カペルラの百科全書『サティリコン』の編集で確立 (1599) 。 1604~05年にかけて『捕獲法論』を執筆。その一部は『自由海論』として出版 (1609) されたが,全体の公刊は 1868年である。神学上の問題に発した諫争派対反諫争派の争いに巻き込まれ,前者の指導者とみなされ,終身刑で投獄された (1618) 。しかし妻の助けでパリに亡命,ここで『戦争と平和の法について』 De jure belli ac pacisを完成 (1625) ,この書で近代国際法学の創始者と目される。 1634~45年スウェーデンのフランス駐在大使を務め 1645年辞職。一生を通じてカトリックプロテスタントの合同のために心を砕いたが,のち徐々にカトリックに近づいた。キリスト教古典に精通し,『キリスト教の真実について』 De veritate religionis Christianae (1622) ,『新約・旧約聖書註解』 (1641,1644,1646,1650) を著わす。またすぐれた新ラテン詩人の一人でもあった。

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